2015年3月31日火曜日

花が染める

昨日、あんまり鳥が鳴くので梢を見上げたのです。そうしましたら、空がまるで桜に染められたような色をしていたので、思わずじっと見つめてしまいました。

きっと、桜の身体中に満ちている、美しいピンク色が溢れ、零れて、空に滲み出していたのでしょう。それに気づいた鳥が、いつも地面や、近いところしか見ていないわたしに、みてご覧みてご覧と歌ってくれていたのでしょう。
それとも、昨日はただ夕日が美しくて、ただ鳥がさえずって、偶然わたしが空を見たのでしょうか。桜など関係なくて、鳥なんて歌っていなかったのでしょうか。


春がきました。


先日、わたしが主演させていただき、ナレーションをいれ、テーマ曲を作らせて頂いた富山テレビ制作「五箇山 冬物語」がインドネシアの番組「SHIKI ORIORI」にて放送されました。1月初旬に五箇山へ撮影に行った時から、ナレーション録りが終わり、いまに至るまで、本当に富山テレビの方々にはお世話になりっぱなしです。演技経験もないわたしに番組出演をさせてくれ、ナレーション経験がないわたしにナレーションをさせてくれ、作曲経験が少ないわたしに、大事な大事なテーマ曲を任せて下さいました。寒い中での撮影では、沢山暖かいグッズを用意してくれ、常にわたしのことを気遣ってくださいました。疲れないように笑わせてくれたり、無理のないようわたしの代わりに動いてくださいました。わたしのことを褒めて、わたしが落ち込まないようにしてくださいました。

元来ドキュメンタリー番組や、ウルルン滞在記、ふしぎ発見、旅番組などが好きだったので、いつかあんな風に、いろんなひとに接して、いろんな文化を学べたらなんて素敵なんだろうと思っていました。だけどこんな経験、生きている間に出来るなんて思っていませんでしたし、夢にも思っていなかったので、お話頂いた時は本当にびっくりするとともに、大変嬉しく思いました。人生何が起こるかわからないけど、本当に、生きていて良かったと素直に感動しています。このお話を下さった桐朋のKさんにも、富山テレビの方々にも、五箇山の方々にも、本当に感謝します。有難う御座います。


サン=テグジュペリの書いた本は「星の王子様」しか存じ上げないのですが、とても好きなお話のひとつです。王子の真っ直ぐで純粋な言葉が、とても真っ直ぐ心に響きます。桐朋の研究科にて勉強している折、休み時間廊下で読んでいて、ぼろぼろ泣いてしまったのも、いまでは良い思い出のひとつです^^;


そんな大好きなお話のミュージカルに、4月は参加させていただきます!

わたしの先輩である白須今先輩の代わりに、4/2,11日と全3公演、参加致します。場所はDDD青山クロスシアター。とてもオシャレで素敵な空間です。
http://www.ddd-hall.com/hoshinoouji/

キツネやヘビなどの役を演じる愛加あゆさんは、わたしと同い年で、なんと富山出身!ご縁を感じてしまいましたヽ(;▽;)ノとっても美しい歌声と、しなやかな身のこなし。コミカルな動きも怪しげな動きも、とても表情豊かな演技をなさいます。そしてお尻の形がめちゃめちゃ綺麗!!!思わず見入ってしまいます( ; ; )

バラの花やうぬぼれ男役のあかねさんは素晴らしいプロポーションと美しさ、まさにバラの花に相応しい方です。歌声もとっても綺麗なのですが、うぬぼれ男の演技がとってもかっこいいです!!

飛行士役の原嶋さんはとっても素晴らしい役者さん。人一倍熱心に演技のことを考えてらっしゃいまして、暇があれば歌の練習や、演技の確認をなさっています。とても勤勉家で、真摯なお人柄です。

王子様役の亜飛夢さんは、本当にお人形のような端正なお顔立ち。着替えているところを何度か見てしまったのですが、これファンの方に殺されるんじゃないでしょうか…演技に関しても原嶋さん同様、本当に一生懸命おやりになっていて、まだお若いのに凄いなあと感心するばかりです。

ミュージカルに関わるのはお恥ずかしながら初めてなのですが、実に沢山の方が関わって、ひとつひとつを丁寧に作り上げてらっしゃいます。ライトひとつにしても、動きひとつにしても、それだけでぐっと変わっていくのですから、ひとの心がいかに繊細かということがわかります。そんな丁寧なものづくりをみていて、富山での撮影チームの心配りや作り込み方を、先生の音楽の作り方を、美味しいお料理を出してくれた、あの小さな料亭を、思い出したりしていたのでした。


卒業してから一年はゆっくり周りを見渡そうと思ってたのに、気がつけばバタバタ過ごしてしまいました。わたしってもんですね…焦ってしまう癖があって、いけないなと思います。

ここからの一年も、わたしのペースでやりたいことを、やりたいだけ。休みたい時は休みたいだけ。とりあえず、今年は広島にいきたいな。本場の広島焼きを食べて、賀茂鶴飲んで、厳島神社みて、そして原爆ドームにいきたいな。わたしはもう少し、生きていることに感謝しなきゃいけないのです。わたしの周りの方々が、元気でいてくれていることに、日々感謝しながら過ごしていきたいのです。戦争にいかないで済む幸せを、争いで大切なひとを亡くさずに済む幸せを、ひとを傷つけてしまったという、その事実を負わずに済む幸せを噛み締めて生きていきたいのです。わたしはいつも図々しいから、そんなこと次の日には忘れてしまうから、忘れないように過ごしていきたいのです。


春がきました。



星野沙織
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