2013年6月28日金曜日

たったひとつの

書きたい物語があって、それはでもずっとわたしのなかの引き出しに閉まってあるのです。時々引き出しから取り出して見ては、その物語の中に飛び込んでうろうろ散歩するのですが、そんなぼんやりとした時間がきっと誰でも必要で、そういう時間の中でふいに気がつけるものがあったりもするのかななんて、自分がぼんやりするのを肯定しようとしたりする今日この頃です^^;

久方ぶりに改修のおわった母校の練習棟に入ったら、内装までがらりと変わっていてびっくりしました。慣れ親しんだドアの色や壁の痛みはすっかり塗り替えられて、壁に掛けられていた緑のシンプルな掲示板は楽譜のような模様のものになりました。なにかしらのところにはト音記号譜が一段描かれていて、わたしが使っていた頃よりなんだかすこし幼く見えるようなそんな気がして、卒業してもうかなり経った身としては疎外感が強くなったりもするのでした。それでもやはり、母校に身をおけるというのはとても幸せで嬉しくて、早くわたしも母校を守って行く側になりたいなあと思うのです。


さて、先日無事に奈良での公演を終えました。お越しくださいました方々、また遠方から応援してくださった方々、どうも有難う御座いました!
奈良の方々はとても暖かく迎えてくださいまして、初めての奈良での演奏に不安があったわたしたちの気持ちを笑顔でほぐしてくださいました。演奏者にとって聞いてくださる方の笑顔って本当に励みになります。有難う御座いました。


久々の食べ物情報ですが、最近銀座に食パンメインのパン屋さんができたようです。

http://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13157424/

セントル ザ ベーカリーというお店で、食パンが主役のパン屋さんのよう。知り合いの食べ物に詳しい方が絶賛していたので、これは是非とも近いうちに食べたいところ…!!し、しかしながら他に何か用事がないと銀座なんてでていかないので、無理やりにでもなにか用事を作らねば…^^;笑

またこういったものには先日紹介したボルディエのシンプルな無塩バターとかがあいそうですね。そこにトマトとモッツァレラのカプレーゼ、サラダまたはピクルス、生ハムかローストビーフなんかがあったら最高ですね!笑

朝から食べ物の話をしたらなんだかもたれてきましたので、今日はこの辺で。皆様にとって素敵な一日となりますよう。

写真は東寺の沙羅。
星野沙織
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2013年6月24日月曜日

日差しは柔く 吹く風は清く

今日から二日間、奈良にて演奏してきます。奈良は高校生の学校行事以来ですが、とても素晴らしいところばかりだったので今回また訪問出来るというのは本当に嬉しいです。

先日東経大のオーケストラコンサートを終えまして、改めてモーツァルトの難しさを実感しました。このオーケストラには同じ賛助として大学時代の友人にも会えるので、年に一度の報告会みたいになっていてそれも楽しみのひとつとなっています。

そう、やっと風邪が全治しまして、一安心です。随分長引きました(>_<)これに懲りてバッグには葛根湯を常にいれておくことにします笑 みなさまもお気をつけください。

奈良はなにが名物なんだろう。しかせんべいしか思いつかなかったけど、お豆腐とかかしら?
とにかく、久方ぶりの奈良、楽しんできたいと思います。短くて失礼しました(>_<)
星野沙織
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2013年6月21日金曜日

うそなのかほんとうなのか

先日、お家に帰ったらなんと影の縫製機が!\(^o^)/絶版になっていたそれを父がみつけてきてくれました。早速読みましたが、マザーグースにも似た詩集絵本であっというまに読んでしまいました。このシリーズあと10冊くらいあればいいのに…

エンデは文も素晴らしいですが絵もとても魅力的で、モモなどの挿絵は自身でお書きになっています。この影の縫製機はビネッテ・シュレーダーという絵本作家さんが挿絵を担当しているのですが、この作家さんとても多彩な画風をもっていてちらりと画像を検索しただけで実に様々な表情に出会えます。影の〜の画風はシュルレアリスム的といいますか、ビアズリーから毒気を抜いてコクトーを足したような雰囲気に仕上がっているように思います。わたしの少ない知識からの見解なのでお恥ずかしいのですが!
とにかくモノクロ、すべての絵はペン一本で仕上げられており、斜線の方向や点描、ベタ、またはホワイトのいれ方で色彩を全て表現してあります。それがまたエンデの世界ととても溶け合っていて、マニア受けする本だなあと思いました。なるほど絶版になるわけです笑

ヴァイオリンを教えている小さな女の子が会うたびに成長してくれてびっくりします。わたしはどなたに対してもあまり褒めたり出来ない達で、その子にも殆どそのような対応をしていないのですが(言葉に限らず、教え方も大人の方にするのと殆ど相違ないくらいで^^;)、それでもいつも頑張って、わたしを慕ってくれるので本当に有難いといいますか、じんときます。

先日わたしの似顔絵を画用紙いっぱいに描いてプレゼントしてくれた時などは、まさかという気持ちでしばらくぽかんとしてしまいました。このように褒めるのが下手だと子供に好かれることなどないだろうと思って今まで過ごして来たものですから、本当に嬉しい出来事でした。


大事なひとのことを大事に思う時、またはそのひとの幸せを願う時、それは必ずしも自分自身の納得する結果出なかったり、或いは望まない形であることがあるのだと思います。でもそれをわかりながら、そのひとが幸せになってくれるように動けるひとというのは本当に強いといいますか、並々ならぬ愛をもったひとなのだろうなと思うのです。だいたいにおいて、人間は自分の思いを押し付けることだけで手一杯になって、相手や周りの気持ちに気がつけなかったりするのでしょう。

わたしはいつになったら、わたしをとりまく小さなことや大きなことや、大事なものや些細なものが発するものに、敏感に気がつけるようになるのかしら。
星野沙織
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2013年6月19日水曜日

光の中からか闇の中からか

はじめに言葉があって、言葉は神様と共にあって、神様が光あれと仰った時、世界に光が生まれたと聖書には書いてありますね。

宇宙のことを考えても、最初は暗闇というか無の状態で、やがてちりやなにやらが集まって惑星になり、衝突と爆発を繰り返し、熱を帯び、光を持つようになったとか、そんなふうに習ったような気がします。

光は暗闇から芽吹いたけど、光がなければ暗闇は「暗闇」として存在は出来なくて、それはただの何もない、無というものなのでしょうか。
小さい頃、夜の高速道路が無性に恐ろしかった記憶があります。高速道路を走る車のスピード、音、妙に運転席までが遠くに感じられ、窓を過ぎて行く灯りはまるで手塚治虫の描く近未来都市のようで、もっとゆっくり走ってとお願いしながら後部座席で丸まっていました。また、大人になった今でもふいに心が落ち着かなくなって不安に取り憑かれ、いてもたってもいられなくなってしまうのは夜です。そういう気分の時はとにかくはやく夜が明けてくれと願うばかりなのですが、夜というのは生き物になんらかの作用をもたらすのでしょうか。

谷川俊太郎さんの夜や闇についての詩を読んだりすると、そういった夜に対する畏怖のようなものがすこし和らぐのです。
夜はたぶん、わたしをわたしと向き合わせてくれるから、そうしてわたしはわたしを改めて見つけてしまうから恐ろしいのかもしれません。一日生きて疲れた命を癒し、また育て、守りながら寝かしつけ、みんなにそれぞれ鏡を与えては、夜毎に自分自身を見つけさせてくれているのかな。では夜は太陽に寝かしつけてもらっているのかな。あたたかな太陽がわたしたちに真昼を運んでいるそのドレスの裾の中に、夜はもぐりこんでぬくぬくと疲れをとっているのかな。そうだといいな、なんて思ったりもするのです。


太陽の核がやがて燃え尽き、体が大きく大きく膨張するのはいまから何十億年も先のこと。そこからどんどん冷え切って、白くなるのは120億年ほど先だったような。光ることをやっと終え、白く冷たくなった時、きっと夜の大きな胸の中で太陽は至上の幸せに包まれるのでしょう。

わたしも誰かの夜になれる時がくると良いのだけどなあ。まだまだ先のようです^^;
星野沙織
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2013年6月18日火曜日

やっとすこしずつ

体調が戻ってきました。今回はだらだら長引いていてなんともまあ面倒なものです><

さて、まずはご挨拶から。6月の10日に、兵士の物語を終える事が出来ました。ご来場下さいました方々、本当に有難う御座いました!

なんともすばらしい演奏家の方々に囲まれ、会場も満席に近い状態。ものすごい緊張感とともに始まりましてなんだかわたしとしては100%満足のいく演奏とまでは行きませんでしたが、それでもコンサートとしては本当にすばらしいものでした。これも共演の方々や篠井さん、スタッフの方々のお力あってですね。本当に有難う御座いました。
また、例によりプレゼントを頂きまして本当に有難う御座います。いつもいつもお気を使わせてしまい申し訳ない。でも本当に嬉しいです!


そして先日、富山では無事オーケストラの本番を終える事が出来ました。こちらはチェコ色強いプログラムな上、ヴィオラでの演奏だったのでまた違った緊張感><しかしこちらもとても楽しく勉強になる本番でした。
この本番の日、体調の悪さがピークに達しまして、ゲネプロが終わった時点で歩くスピートがまるで「富士登山をした素人が翌日猛烈な筋肉痛に苛まれて動くのもやっと」みたいな状態になっていました。幸いにも富山は「富山の薬売り」という通り薬屋さんが充実しているので、近場の薬局に行き薬を購入しまして本番を乗り切ったのですが、そのあとの夜行バスで気分が著しく悪くなり、パーキングエリアで涙目になりながらどうしたものかとバスをしばらく眺めておりました。無事に東京に着いて駅の階段を一段一段休みながら上り下りし、最寄り駅まで迎えにきてくれていた父と合流した時はほっと一安心^^帰宅してからは体調がやや落ち着きまして、そこからいまに至る訳ですがなかなか咳が抜けてくれません。今年の風邪はどうも後を引くようですね。皆様もお気をつけ下さいね。

さて、定期的に我が家に届く通販の本があるのですが、今日はそのお店をご紹介しますね。サンクゼールというところなのですが、主にパスタソースや万能だれ、スプレッドなんかを販売しています。
http://www.stcousair.co.jp/index.html
わたしのおすすめはやはりパスタソース。ひと瓶あればあとはパスタを茹でるだけ。茹で上がったらパスタソースと絡めればあっという間においしいランチの出来上がりです。トマト系ならピッツァにも使えますし、リゾットなんかにも使えそうです^^
あと植物バター。ピーナッツ、黒ごまの基本は勿論ですが、きな粉や七穀なんかもあってパンが好きな方にはぜひ一度食べていただきたいですね。一緒にアカシアのバターなんかもたらすとさらにおいしいーっ><
また、期間限定商品にはソーセージやパン、ヨーグルト、チーズとなんだかもう色々そろってしまっていて、わたしここのカタログがくると本当に楽しくてわくわくしてしまうんです笑 買うにしろ買わないにしろ、オンラインショップもあるのでわくわくしたい方はどうぞご覧になってください笑

あと、最近気になっているバターがボルディエというところのバター。ブルターニュ地方の伝統的製法で作られたもので、海藻入りのバターを作っています。これがまた独特な味なのですが、少しキャラクターの強い、たとえばなにかのスパイスですとかハーブ、もしくはライ麦などを使用しているパンといただくとすごく合うんです。ちょっと海藻は・・・という方は、ちゃんと普通のバターもあるようですのでそちらをぜひ。^^

以前デザインが特徴的な家具を見たりするのが好きと書いたかと思いますが、最近こういったところを時々閲覧しています。
http://www.sempre.jp
http://www.rakuten.ne.jp/gold/ld-ish/

両方にでてくるのがcutipolというポルトガルの食器。持ち手がとても細くて繊細なのに存在感はあってとても素敵。もし一人暮らしを始めたら、こんな食器と、益子焼と、漆のお椀、それに壁にはパスカル・メロルのポエティックウォールを貼りたい。カーテンにはあまり主張の強すぎない色合いの、でもちゃんと遮光してくれるものを。テーブルは丸形よりは長方形で、これはもしかしたら骨董市みたいなところでアンティークのものを探してみるのも楽しいかもしれないですね。照明は暖色系のライト、姿見は玄関に・・・

夢は語るだけ自由ですからね^^実際はきっと、ごくごく普通のシンプルな家に適当なものをそろえて暮らしてしまいそう!基本が面倒くさがりなものですから・・・

さて、編曲の続きと練習に戻らなければ。


星野沙織


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2013年6月14日金曜日

やってしまいました

元気が取り柄、むしろそれくらいしか誇れるものがないのですが、風邪をひいてしまったようです。
そういえばこの間も軽く風邪をひいたような気がしますが、ひどくならないうちになおせるのがわたしの自慢でもあります笑
ただ今回はちょっと様子が違って、ふとした瞬間に吐き気がきたりしてやや迷惑です。今朝はとくにひどくて、朝のレッスンが受けられるのか不安でしたがなんとか出席できて一安心です。その後の練習も参加出来たし、一応の事はこなせたのがなによりでした。

夜はおとなしくお粥と厚揚げ豆腐、それにコールスロー。コールスローというとケンタッキーや吉野家のイメージが強いのですが、吉野家はちょっと前からコールスローではなくなったようですね。それにしても牛丼、安すぎませんか^^;280円とか・・・なんだか価格破壊甚だしくて切なくなってしまいます。もっと高くたって、食べたい時は食べるからそんなに無理しないでいいんだよって思うのですが、でも安いし早いしって入るお客様のほうが多いのだろうから仕方がないのかなあ。

さきほど友達に教えてもらった365日分のカクテル、言わば誕生石ならぬ誕生酒というのを調べてみたのですがわたしはウンダーベルクソーダというカクテルで、カクテル言葉は「人間愛を感じさせるゴージャスな女性」だそうです。ど、どうなんだか・・・笑

早見表なので皆様もお手透きのときに覗いてみてはいかがでしょうか^^
http://www.birthdaycolors.jp/cocktails/

ちなみにウンダーベルクソーダはこんなお酒のようです。

ウンダーベルクとはドイツの薬草酒だそうで、薬草ときくとアプサンがでてきてしまうわたし^^いつかこのお酒も飲んでみたいものです。ソーダで割るあたりが夏真っ盛りの8月らしいななんて思ったり。


明日はいよいよオーケストラの本番。ドヴォルジャークにスメタナとチェコ色の強いプログラムとなっています。チェコというと最近大雨と空飛ぶ自転車が開発されたとかでニュースになっていましたが、その後大丈夫なのかしら・・・友人がチェコで指揮をしているので心配ですが、そういえばメールが来ていたから無事なのでしょう。

カエルの鳴き声がほのかに聞こえてきます。少し開けた窓からは湿度を含んだ夜の空気がするりするりと遠慮がちに入ってきます。カップに入れたお湯が丁度飲みやすい温度にさめてきています。これを飲み干したら、ゆっくりとお布団にはいって今日一日の事をゆるゆると振り返ったり、これからのことを考えたりして、そうしているうちにいつの間にか寝てしまっているのでしょう。明日の朝に成ったらどうか風邪が治っていますように。このだるさとのどの痛さはどうにも不便でたまりません。

6月も明日で折り返し。ということは2013年の折り返しにもなるということですね。わたし、この半年でちゃんと成長出来ているのかしら・・・そうだといいな。ここからの半年もどうか、自分を高めていけるものに出来ますように。

わたしの誕生石、ペリドット。

星野沙織


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2013年6月13日木曜日

永遠をみつけるか、瞬間を慈しむか

本日も湿気は少しあれど晴天、例年に比べたらずいぶんからりとした梅雨時期の富山の朝です。おはようございます。

久しぶりにヴィオラをいじっておりますが、なかなかやはり難しいものですね。まずアルト譜表というのがひとつの難関で、次にC線の存在による運指の変化、楽器本来の重さといったところでしょうか。
ヴィオラでオーケストラに参加した後、ヴァイオリンをもつと軽いわ小さいわできゅうにヴァイオリンが愛しくなってしまいます。こんなに小さくて壊れちゃいそう!!なんて^^ちなみにわたしはヴィオラの音が好きで、とくにC線の魅力といったら、なぜヴァイオリンに標準装備されなかったのかと文句を言いたくなるくらいです。ヴィオラとヴァイオリン、近い存在の楽器同士なのにこんなに違って感じるのですから、たまには違う楽器を弾くというのもいいですね。それぞれの良さを再認識できます。


今朝方、といっても深夜ですが、3、4時頃、右足の痛みで目が覚めました。以前などは左ひざの痛みで目覚めることが多かったのですが(わたしの左ひざは骨が少しおかしいのです)、右足のふくらはぎがつったように痛くなったのは初めてだったので少々新鮮でした。ストレッチして寝ないと駄目ですね。体最近かたくなってしまっているからなあ><


ランボーがふいに永遠を見つけたように、わたしも自分で永遠を見つけてみたいと思うのです。谷川俊太郎が生きているという事がどういうことなのかをしたためたように、わたしもつまりこれが生きているという事なのだと自分に言えるものを見つけたいのです。

6時頃でしょうか、とても特徴的な鳴き方をする鳥が、少しあけたわたしの部屋の窓に挨拶を投げかけて来ました。一瞬の声だったのと、わたしが寝ぼけていたせいでいまはもう鮮明に思い出せないのですが、もしかしたら生きているというのはこういうことなのかもしれない、なんて思いました。

どんな姿をしていた鳥だったのだろう。くちばしの色は、形は、翼の色は、目の色は、どんなだったのだろう。また明日も来てくれないかなあ。そうしたら今度は飛び起きて、ちゃんとわたしも挨拶に窓辺にいくのに。

星野沙織

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2013年6月10日月曜日

クロツグミのくちばしに寄せて

今日は少しひんやりとした気候ですね。また少し間が空いてしまいました、すみません。

入梅が早かったというのに空梅雨で、農家の方は大変だとか。ヴァイオリンにとっては湿度が低いのは有難いことなのですが、食いしん坊としては作物が不作で野菜や果物の値段が高騰すると苦しいのでぜひとも雨が降ってほしいものです^^;


先日、出来上がったトリオのCDを持ってクルミドコーヒーさんへお邪魔して参りました。その折にふと店内にある本棚を覗いたらミヒャエル・エンデの「影の裁縫機」という本がおいてあったんです。

ミヒャエル・エンデというとわたしはサーカス物語とモモ、果てしない物語程度しか読んだ事がなくてその他の作品については全く知らないと言っても良いほどなのですが、それでもモモの中でエンデが伝えたかったことや、サーカス物語のト書きの書法などはとても印象に残っています。
久々に見たエンデの名前と、興味をそそられる装丁と題になんだかとてもそそられて帰宅してからこの本を検索してみたら、まあほかにも面白そうなエンデの作品がわさわさと><こ、これは図書館に行くか本屋に行くしかないのでしょうか・・・笑
しかし色々なエンデの作品をインターネットで閲覧していても既読のサーカス物語が気になってしまうのは、多分わたしがあれを読んだとき返却期日に追われてほぼ流し読みをしてしまったのが悔やまれているからなのだと思います。そういえば、指輪物語の一巻も流し読みに近かったっけ。あれは確か小学校の卒業式の前々日に借りて、その翌日に返さなければならなかった気がします。だからわたしの指輪物語はまだ始まってないといったところ。いつかまた冒険を始める気分になったら読み直そうと思っています。


昔からそうだったのかはわかりませんが、およそわたしは退廃的な考え方をすることが多いのでしばしば泥沼にはまることがあります。エンデの言うところの「憂いの沼」にどっぷりと浸かって、足をあげる気もないままに自ら肩まですっぽり埋まってしまうのです。

大学時分の頃、夢や理想や、若い人たちが往々にして語るようなきらきらした理想論、またはうわついた善意の意見を述べると「きれいごとを言うな」「ろくに考えもせずに偽善めいたことを」といった意味合いのことを知人からよく言われていました。その頃はそういった言葉に多少なりとも傷ついていましたが、気がついてみれば自分があちら側の思考にかなり傾いていて、それが様々なことを経験してきた成果なのか、または処世術を学ぶ上での弊害なのか、あるいはそのどちらでもなく私自身が生来持っていた気質が年とともににじみ出てきたのか、しかしそんなことはわりとどうでもよくて、つまり確かに言えるのは、いまの私がどういう思考に傾いていようが美しいものを美しいと感じる時とねたましいと感じるときがあるし、病むひとを慈しむ時とないがしろにしてしまう時があるし、枯れる花を哀れに思う時と汚らしいと思う時があるし、それら対極の気分というのは大なり小なりきっと誰もがもっているもので、だからわたしはわたしのまま、ゆらゆらしながらこれからも生きていくのだろうということでした。



ふとなにか、大きな大きな忘れ物をしているような気持ちに成る時があります。そうなるとなんだかむねがざわついてしまって、いても立ってもいられなくなって、声をあげたくて、なにかにすがりたくなってしまうのです。そんな時は大丈夫、大丈夫と自分に言いながら思い出すようにしています。綺麗だよと言われて急いで見上げた月のことや、夜に降った雪の柔らかさ、酔いながらみんなで弾いたベートーヴェンの7番のシンフォニー、好きだった地球誕生の絵本、風の又三郎のビデオ、放送室のマイク、足しげく通った理科準備室、テレビから流れる第九、砂まみれになったスイカ、夜な夜な行われたトランプ大会、下妻物語、夜中の電話、両親や大事なひとたちの笑顔や声や、あたたかさやしぐさやくせ、そんなものをひとつひとつ思い出していると、なにも忘れ物なんてしていないということを思い出せるのです。


でも、いつかたくさんのたからものを持ちすぎているせいで、何百回目かにはまった憂いの沼からとうとう這い上がれなくなってしまうのではないかと不安になったりもするのでした。石をおなかいっぱいにつめられた狼みたいに!

星野沙織



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2013年6月6日木曜日

明日もその次も

今日はトリオでの宣伝材料として写真を撮影しました。ドレス、普段着、ちょっとおしゃれに…ロケーションをかえながら、角度や表情、立ち位置を変えながら。

なんとはない撮影だけれど、CDを作るために録音をしたあのときのように、みんなでこれからひとつの目標に向けて進んでいるんだって気持ちが否が応でも気分を高揚させて、そんな二人の表情がとても可愛らしくて素敵で、ああ、今日という日を設けることが出来て良かった、この子達と出来て良かったと、とても幸せな気持ちにしてもらいました。ありがとう。

そこから学生時代からずっとお世話になっている東京経済大学のオーケストラ練習へ。このオーケストラはいつも一生懸命で、音楽が好きって気持ちがとても伝わって来ます。こと本番のときの集中力といったら素晴らしく、いつも本番が最高の演奏というなんとも不思議なパワーをもったオーケストラです。そんなオーケストラの定期演奏会にお声をかけていただけるのはとても嬉しく、また学生の中に混じって弾けるのも自分の学生時代を思い出してとても楽しいのでした。


さて、6/10の兵士の物語ですが、出演なさる演奏家さんや篠井さんのお力なのでしょう、チケットがほぼ完売になっているそうです。わたしの手元にも学生券しか残っておりませんので、申し訳御座いませんがご用意出来ないかとおもわれます。みなさま有難う御座いました。


先日ワインを飲んだあとにバルトークを弾いてみたら、案外弾ける気がして「ああ、少しアルコールがはいったほうがいいじゃない」
なんて思ったのですが、段々冷めて来たら楽譜のあちこちに書かれている指示や細かな臨時記号に気がついて、やはりアルコールはよくないなと思い直したのでした。ヤクザなバイオリン弾きだこと!日々反省ですね。

本日もあとひとふんばり。しかしながら、もう2013年も半分が過ぎたなんて。月日は百代の過客といいますが、この旅人は気がつくと去ってしまってお別れを惜しむ暇もくれないようですね。

もう年賀状のこと、考えないといけないかしら…笑
星野沙織
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2013年6月2日日曜日

おひろめ

8/1にやるコンサートのちらしが刷り上がりまして、昨日手元に届きました。改めて手にするとやはり嬉しいものですね。^^
どういうデザインにするのかラフを描いてみて、必要な情報をどこにいれるかとか、どのようにするかとか。また色はどうするかなどをちまちま考えていくのは、嫌いじゃありません。

1日は二部構成で、昼夜と公演します。それぞれ曲目も変わるのでなかなか聞き応えのあるものになりそうです^^チケットにつきましてはわたしまでご連絡くださいませ。


また、6/10の兵士の物語につきましても、チケットのご予約お待ちしています。物語の中でツィゴイネルワイゼンを弾くことになってしまったので、そちらも練習せねば…^^;

会場となる大和田さくらホールは、現代音楽の本番以来二回目となりますが響きもよく落ち着いた雰囲気なので朗読劇にはいい雰囲気を出してくれるであろうと思います。楽しみだなあ篠井英介さんの朗読!!

さて、先日初挑戦の料理でごぼうのカリカリ甘辛炒め的なものを作ってみましたが、これが意外と美味しくて父に好評でした。お酒のツマミにいいなあという味でしたが、そこは我慢我慢。そのかわりデザートにあずき入りのプリンを頂きました^^あずき好きとしては有難いプリン!抹茶ものとあずきもの、きな粉ものはつい手にとってしまいますね。和菓子の控え目な甘さや素材の優しさはなんだかみているだけで柔らかで、食べたらわたしもはんなりできそうなそんな気分になるのです。

朝に食べるフレンチトーストやホットケーキが格別美味しく感じたり、昼間から頂くお酒がサラリーマンの心を掴んだり、海外から帰ってきて最初に食べたお味噌汁と焼き魚が無償に沁みたり、食べ物って本当にわたしたちに密接していますね。美味しいものを、大切なひとたちと美味しいねなんて話しながら食べられるのは本当に幸せだなと思います。ああだからはやく、祖父の作る蕎麦や祖母の煮豆やけんちん汁、母のハンバーグやかぼちゃのスープに、父の淹れる珈琲なんかを、一個一個覚えていけはたらいいのですが。なかなかひとというのは時間が限られているということに気がつけないといいますか、その時にならないと本当に理解出来なかったりして、まだ先でいいや、なんて思ってしまうのです。いけないなあ。

近々トリオの写真を撮ることになっているので、服だのなんだの決めなければなりません。優柔不断なものでなかなか決まらないし、センスがないからなんだかもう…夢にまでみてしまいました^^;苦手意識、ですかね!いけません。

そろそろ朝ごはんの用意をしなければ。今日も皆さんにとって素敵な一日となりますよう。

星野沙織
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