八丈島と前後しますが、お盆には母方の実家である栃木県に帰っていました。何年前からでしょうか、ひまわり祭りと銘打って畑一面にひまわりを咲かせるイベントが何時の間にか夏に開催されるようになり、今年はわたしも足を運んで見ました。
一面に広がる黄色の花の、その様々な表情に家族でしばらく見とれてしまいました。団体の魅力というのは個体では敵わないとおもわせる力がありますね。まさに圧巻でした。それはグルスキー展でも感じましたね。
栃木ではまた、庭のトマトでミートソースを作り、ナスとじゃがいもでチーズ焼きに致しました。日よけに生やしたゴーヤではチャンプルーを作り、芝生に植えたスイカは今年は小玉とは言い難い大きさにまで成長しました。
都心にいると、裕福な友達や素晴らしい先輩方をみていると、つい夢を見てしまいます。自分もあのように、素敵なアクセサリやお召し物を着てみたい。休みには毎回両親を旅行に行かせ、いいところのお肉やお魚をいい食器の上に素敵に並べ、食卓に並べてみたい。お祝いには上等のワイン。祖父母の家の改築をし、自分だって都心に住んで、コンサートの帰りには両親に泊まってもらえるようにしたい。
でも、栃木で過ごしている時にいつも感じるのは、ここに不足しているものは無いということでした。そりゃあ震災で崩れたところはまだ直せていないし、ガタがきているものは山ほどある。スズメバチは毎年凝りもせず巣を作るし、譜面台とピアノは壊れています、それでも、あそこで過ごす時間はわたしの中でとてもとても大事なものなのです。毎日住んでいないから言える身勝手な発言かもしれませんし、相変わらず都心に帰ればまたいつものように不満が多くなっていくのだけれど、
いつか身の丈にあった幸せというか、ひとつのわたしの到達点を見定められたらいいなあ、なんて思うのです。煩悩にまみれているわたしだけど、どうか神様が導いてくださるように、祈ったりもするのでした。
星野沙織
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