2014年6月27日金曜日

生かされている


音楽家は聴いてくださるひとがいるから存在が出来るのです。音楽家は聴いて下さる方に生かされるのです。


本日は音の葉ホームコンサートでした。

午前午後共にたくさんの方が聴きにいらして下さいまして、本当に有難く、また心強かったです。午前中は小さいお客様のパワーをふんだんにもらって、もっともっと精力的に音楽や人生と対話して行きたいなという気持ちにさせられました。


午後は大人のお客様に囲まれて、あたたかな空気に包まれての演奏が出来、本当に楽しく演奏させていただくことができました。お聞き下さった方々、有難う御座います。



音楽家が存在出来るというのは、音楽家の演奏を聴いて下さる方がいるということです。そして音楽家が音楽を続けられる力の源は、聴いて下さる方の暖かい拍手であったり応援のまなざしであったり、ありがとうというお言葉なのです。

わたしは本当に、なんの取り柄もない、少しだけバイオリンが弾けるだけの人間です。世界には素晴らしい音楽家の方が沢山沢山いらっしゃいます。もうずっと前から、それこそ高校生時分から、身の丈をわきまえられる年齢になった頃から、わたしが音楽を続ける意味は、わたしには無いように思えてならないのです。ただそれはとても受け身な考え方で、バイオリンを弾くことがわたし自身の表現であるし、なにより楽しいし、それが仕事になっていますから、やめるつもりは毛頭ありません。しかし、いまでもふとそんなことを考える時はあるのです。そしておそらく、大半の音楽家は同じような気持ちを感じたことがあるのではないかと思うのです。


そんなわたしにとりまして、本日は本当に素敵な一日となりました。会場に足を運ぶだけでも大変な力を使うでしょうに、2時間近く、本当に一生懸命わたしたちの演奏を聴いて下さって、終わった後、素敵な素敵な笑顔を下さった女の子とお母様。
お二人は今日、ちっぽけな音楽家に生きる勇気を下さいました。今日の出会いに本当に感謝致します。




紫陽花が少しずつ、雨を吸って熟しています。湿度を含んだ大気には初夏の香りが混ざり込んで、木々は一層青々として参りました。畑の茄子はてかてかと輝き、虫たちは忙しく命を燃やしています。


したいことがまたひとつ増えた、そんな日でした。

画像はミレーの晩鐘。

星野沙織

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