2015年10月11日日曜日

有難う御座いました!

先日、カデンツァでの演奏会を終えることが出来ました。お越し下さった方々、遠方より応援してくださった方々、有難う御座いました。


急に決まった本番ではありましたが、プログラムを決めていったら10年ぶりくらいの曲や、初めての曲がわりと入ってる、10月のスケジュールの中でやるには厳しい内容となっていました。



持論なのですが、聴きにきてくださった方にはわたしの事情なんてどうでもいいことだし、関係ないことだと思っています。

それは消極的な意味ではなく、実際そうだからです。

「手が痛かったので」「忙しかったので」「いつもより緊張してしまったので」「寝不足だったので」「練習では出来ていましたが」

こういったものって、すべて演奏する側の個人的な理由で、聴きに来てくださった方に押し付けるものではないと思っています。


学生の時、先生に言われたお言葉があります。

「あなたがその時、本番で納得のいかない演奏や悔やまれる失敗をしたとしても、聴きに来てくださった方が『素敵だった、良い演奏だった』と仰ってくださるなら、その方達に対して、決して自らの演奏を卑下するような発言をしてはならない。あなたの演奏に満足してくださっている方達にあなたが不満を述べるということは、食事を楽しんでいる人の前でその料理を貶すのと同じで、その人を不安にさせる失礼な行為なのだ。反対に、あなたがどんなに自分で満足のいく演奏が出来ても、聴きに来てくださった方が楽しんでくださらなかったとしたら、何故そこに差異がうまれたのか冷静に考えなければならない。」



演奏家は誰でも、どんな本番に対しても全力で挑んでいるとわたしは思っています。それはどんな本番も、聴きに来てくださる方にとっては、それが「初めて」かもしれないし、「一回きりの」「最初で最後」の演奏会かもしれないからです。わたしたちは何度も演奏している曲であっても、その方にとってはたった一回きりの演奏かもしれないからです。


ただ、全力で挑んでいっても、納得のいく演奏が常に出来ている方は、かぎりなく少ないと思います。むしろいないかもしれません。ですからわたしたち演奏家はいつも、本番前に気持ち悪いくらいナーバスになり、本番後は鬱陶しいくらい落ち込むのです。あれができなかった、こうすればよかった、もっと練習すればよかった。誰にいわれなくても、自分が一番感じて、へこんでいるのです。



感謝や充足感はもちろん、お伝え出来うる限りしていこうと、演奏活動を始めた時から思っております。なかなか筆不精なので、お伝えが遅くなったり、または忘れてしまったりするのですが…^^;


反省点や後悔を書き出すのはとても大事なことです。日々の本番の中で瞬間瞬間忘れて行ってしまうから。でもそれは、おうちにある日記帳に、わたしは書いています。

そんなに腕が立つわけでもないのに負けず嫌いなわたしなので、弱みを公表するなんて、粋じゃない!なんて思っちゃったりするのです^^;



この度のカデンツァでは、弓の弾き比べなどもさせていただき、終わったあと、楽しかったというお声をたくさん頂戴しました。そのお言葉ひとつひとつがとてもとても嬉しくて、不安でたまらなかったそれまでの期間が、皆様によって浄化され、救われた気持ちになりました。本当にいつも、わたしたち演奏家は聴きに来てくださる方に生かされているのだと感じます。有難う御座います。



また第二弾弾き比べ会を開催出来るよう、その時はお声がけ致しますので、ぜひいらしていただけたら幸いです。



明日は久しぶりの弦楽アンサンブル。15,20,23日と本番が続きます。また別途ご連絡させていただけたら嬉しく思います。



皆様のものに、本日も光がたくさん降りますように。


星野沙織

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